ごんぞう

年末は毎日書けるぞと思っていたが、やはり正月最後のほうになると、生活パターンも変わって日記どころの騒ぎではなかった。

私はテレビはほとんど観ないのだが、正月は家にいる時間も多くて、そばでテレビを点けているものだから、だらだらとテレビを見てしまう。普段、テレビを観るのはおかあさんの役目で、私と娘は一心不乱にトランプに興じている。でもこの正月のまったりした時間は、テレビを1分観て、ジン・ラミーの次の勝負をして、という感じで、まあこれも仕方ないかなぁと思う。要するに、全く集中力のない状態。

何かトランプのゲームの種類を増やさないといかんなぁと思い、トリックテーキングゲームの二人で遊べるゲームである、エカルテをもう一回やってみようか、といってみたのがおととい。

エカルテは7より大きいカードだけを使って、5枚配って最後の札は切札を決めるために表にめくる。そこから普通のトリックテーキングになるわけだが、手札の具合が良くない場合に、手札を山札と交換できるシステムになっている。

なんか、イマイチ、カード運に頼るしかないゲームなので私はあまり好かなかった。が、簡単にできるトリックテーキングがそれしかないので、仕方なくやっていた。どうも、来る時には切札のAKQとかがたくさん来て、私が勝ってしまうことがあった。もしくは、勝つコツが全くわかっていない娘は負け続けていた。

おとといもそういう状態だったので、いい加減で切り上げたのだが、昨日は、「エカルテをしよう」と娘が言い出したので、私もこれしか知らないし、やるしかないなぁと重い気分。

そういう時に限って、私に良い札が来るんだ(泣。5回勝負と言って始めると、5回ストレートで私が勝ってしまう。

昨日は久々に「ごんぞう」を見た。鬼瓦権造の「ごんぞう」だ。昔、ビートたけしが扮していた鬼瓦権造。負け続けて5連敗の娘に「さ、そろそろやめようか」と言うと、顔がみるみる「ごんぞう」になっていき、「だって、わたしは1回も勝ってないんだよぅ」と泣き声で訴えはじめた。口を、見事に「への字」に曲げて、大きく見開いたつぶらな目から涙が、ドドッとあふれてくる。この顔が、われわれ家族の合い言葉「ごんぞう」である。たけしの鬼瓦権造にそっくり。空気が読めないわけではないが、この顔を間近で見せられると、笑いをこらえるのにとても苦労する。

というわけで、娘はエカルテに火が点いた感じだ。切札無しでやるとか、カードは取り替えないでやるとか、まずは基本を押さえられるようにして、地味に始めることにした。フォロー、ディスカード、ラフ。この基本をしっかりと教えよう。勝てる戦術があるのか?私にもちょっと把握できていないが、まあ、気軽にトリックテーキングできるゲームということになるのだろう。

興味が尽きない娘には、いつも元気をもらっているなぁ、と思う。