おとなげ

少し本気で、ホイストに向かっての第一歩を踏み出そうと、かなり真剣に考えはじめたところだ。

まずは、用語だ。

「名前というものは、とても重要だ - 名前は、私たちがそのことについて話をしたり理解したりする手助けをしてくれる。また名前は、そのものに抽象的な概念を与える」。と、フレッド・ギッテルマン(BBOの社長)が言っているので私も盲信。

簡易エカルテをしている時に、重要な用語を口にしながら遊ぶために、その辺にあった筆ペンで、キーワードを書いてみた。するとトランプそっちのけで、娘が絵を描き始めてしまった。

いままで、「トランプ」という言葉はカードとかデッキの意味で使っていた。しかし、この辺でしっかりと教えておかなければならない。トランプは切札のことだ。なので、文脈をはっきりさせておかないといけない。「トランプを決める」「ノートランプ」「トランプでラフする」。

「スート」ってのも必要かな。

今週末に、大人と一緒にミニブリッジをする機会があるので、どこまでできるかわからないが、娘を連れて行って大人と一緒にやってみようと思っている。ホイストを飛び越えて、いきなりミニブリッジだ。ホイストができる環境があればそれに越した事が無いが、まあ、大人と混ざってするということで、楽しいだろう。

一つ、違和感を感じている。私の違和感は「おとなげ」ということ。おとなげない大人は短い時間で体験させようと、HCPだ、ビッドだ、ゲームだ、ディフェンスのシグナルだ、という話をするだろう。わたしだって、ミニブリッジの体験をしに初心者の大人がやってきたならば、必ずそんなところから始めざるを得ない。社会は忙しいのだ。回り道をしている暇などない。

しかし、子供に対して大人は「おとなげない」態度ではいかん。「おとなげ」ある態度をいかなる時にも維持し、われわれ大人が見過ごしてきた、もしくは忙しさを理由に見ないふりをして避けて通ってきた、ホイスト、ブリッジのプレイの楽しみを、子供にはじっくり時間をかけて身につけてほしいし、私もそういう時間を楽しみ吸収したい。ある講師が次のような事を言っている。『個人戦のホイストからいきなり始める。そのうちダミーホイストにして、遊び飽きるまでは、HCPだとかコントラクトだとかの余計な事を言わない』。

いいなぁ。こういう所に時間を割くことが、子供にとっては重要で、一緒にいる大人にとっても、最重要であり、もっとも注意深く扱わなければならない事項だと、思う。子供の目線に落ちて一緒に楽しんでみよう。目線に下がってとか、目線に降りて、じゃなくて、落ちて。だって、落ちるのは誰でも恐いものだから、思い切って。