菅原伝授手習鑑

田中潤司『ギャンブル・ゲーム』(ごま書房、昭和49年初版)は、私の花札ゲームのバイブル。馬鹿っ花の章に関東近辺のどの家庭でも通用するとして、五光、四光、七タン、赤タン、青タン、猪鹿蝶、ふけ役(20点以下なら勝負が流れる)の7つが挙げられている。

これに加えて残りの八役が、三光、六タン、松桐坊主、くさ、のみ、藤しま、桐しま、雨しま。

この三光が、表菅原。説明によると『松と桜のピカ札と梅に鶯の10点札を三枚そろえたもの。これを、「五光」や「四光」のように、ピカ札を、なんでもよい、三枚そろえたものというふうにカン違いしてはならない。正式名を「表菅原」といい、松王、梅王、桜丸が登場する歌舞伎の「菅原伝授手習鑑」にちなんで作られた役だという』。

歌舞伎だとか、あやめと八つ橋(伊勢物語由来だとか)とか、花札のモチーフは、まるでにっぽん逸話かるたの様相を見せ、興味深いものばかり。