実戦で練習する

練習が進まず焦るおとうさん

このブログに何か書きたいのだが、何かを書く前にすべきことがあるんじゃないか?というような追い詰められた堂々巡りの状態が、公私ともに続いた気がしていて、何もかにもがうまく進んでいない感にさいなまれ、ああ、もう福岡のブリッジ祭りまでも時間がないし(あと7週間)、娘との練習もさっぱり進まず、という雰囲気を断ち切ることができればと思い、娘と一緒に仙台ブリッジクラブに遊びに行く事にした。おかあさんの実家が仙台なので、以前はおかあさんとちょくちょく顔を出していたけれど、今は娘とバトンタッチ。

フォーシング1NTのビッドも、ツーオーバーワンも中途半端だ。おまけにステイマンも半端なので、実践では大きなつまづきが予想されていた。それでもこれまで実戦を練習に変えてビッドを覚えていくという土壇場の練習を重ねてきているので、今回もそうなるしかない、と半ばあきらめ、ただし、この土俵際で状況を打破したいと、うっちゃりの腹積もりを持ったおとうさんなのだった。

仙台では、通常土曜日は午後から始まり、夜までセッションが続くことから、娘と一緒だと午後の1セッションしか出られないのだが、月の初めの土曜日だけ午前中から始まる週になっている。これなら2セッション遊んでも夕方には帰ることができるので、娘と行くならこの日にぶつけるしかないなと思っていた。福岡は2セッションあるので、おとうさんも2セッションに体力的に慣れてしまわないと。

チーム戦

午前中にクラブに顔を出すと午前はチーム戦とのことだった。15名。なんとも半端な人数だがきっちり5名チームを構成して始まった。人数が半端だと私達のクラブならばさっそく電話攻勢でメンバを揃えようとするのだが、そんなこともせずすぐにブリッジが始まる。さすが歴史ある仙台のクラブだ。人が半端だってなんだって、みんなでブリッジを楽しむという気概が素晴らしい。

私達のブリッジはというと、ほぼ1週間ブリッジせずに6ボード×4ラウンド遊ばせてもらって、やっとブリッジを思い出したって感じで、結果は3チーム中3位。一緒に遊んでいただいたチームメイトには悪いことをした。

ただ、中身がそれだけ悪かったかというと、それほどひどくもなかったんじゃないかな。バルのグランドスラムをビッド&メーク(対抗テーブルはスモールスラム)されたり、ディフェンスがうまく機能していなかったのだろう。パートスコアのスィングを2つ献上したりして、差がついてしまった。

そんな中でも、ステイマンやジャコビートランスファをうまく使いこなせなかったために私たちは5−3のハートを見つけられず3NTになって、こちらはメーク、4は1ダウンというようなスィングもあったので、結果的には惜しい3位というところかな、と希望的観測。

こんなボードがあった。

スペードのフィットがあったので、おとうさん(N:ノース)は4を超えて、5とお誘いしてみた。娘は6に行かずにパス。対抗テーブルも同様に5だった。

スペードは11枚フィット、2のリードでAが勝ち、が返されてこれをフィネスしたのでKに取られて、後がなくなった。

確かが続けられて娘はダミーで勝った。娘が次にプレイしたのはダミーのAだった。フィネスが効く位置にディフェンダのKがあったので、おとうさんは思わず「フィネスをしていたらメークしていたのに!」と叫んだところ、Kを持っていたオポさんが教えてくれた。「スペードは11枚フィットだったので、パーセンテージ・プレイはAを叩くことです」ということ。あ、そうか。そのとおり。娘はそれを知っていたわけではないけれど、おとうさんはこういうところを気をつけて指導しないといけないなと思った。

ちなみに対抗テーブルの5は、ジャストメーク。をフィネスせずにもフィネスしないで、ダミーのでハンドのをディスカードすると5はメークしそう。娘は、そういうプレイがまだできない。それでも、おとうさんはそのAを叩いたプレイは非難しないよ。おとうさんの勉強不足だ。

チーム戦では娘がディクレアラになることが多かった。ずいぶんと頭を使ったみたいだ。

ペア戦

おとうさんは午前で結構へとへとになってしまった。体力ないなー。娘は超元気。昼ごはんを食べる時間がなかったので、食べずに午後のペア戦に突入。

ハンドレコードがないので、細かい分析はできないが、12ペア中4位で入賞できた!ああ、良かったぁ。ボトムになることは覚悟して来たので、運良く良い成績で終われたことは本当にラッキーというしかない。たまたま今回が良い成績だと、次も楽しくブリッジしようという気に娘が思ってくれるだろうし、練習はできてないけど、まず、自分たちのペースでできることをするしかないよね、と明るく開き直ることもできる。そういう意味で本当に良かった。ほっとした。

競り合いのビッドならばある程度自由度があるので、娘も好きなようにビッドできる。しかし1NTオープンや、ゲーム点があってオポーネントが介入してこないような状況では、ビッドを知らなかったり、忘れていたりすると失点を招いてしまう。

そういうボードが1つあって、娘は15点の6枚AKQxxxのを持っていて、レスポンスにを2回続けたので、おとうさんはパスをした。娘はゲームまで行く気満々だったのに、1ー2というレスポンスは弱いハンドを示す、ということを「知らなかった」ようで、ゲームに行く事ができなかった。

あとでそのことを指摘すると「それは聞いてない!」と言う。何度も話しているのだが、練習が連続していないので、それは話していないのと同じ状況なのだろう。こういうときに娘は自尊心を傷つけられるように見える。たしかにそうだよな。言われていないことで非難される筋合いはない。

だから、おとうさんは福岡までの間に、ゲーム点があるときには簡単に、確実にゲームビッドまで行けるビッドのシステムを2人でマスターしてしまおうと心に決めた。ここさえ決めておけば、あとは好きなように、自由人でいられる。

ディフェンス

娘のディフェンスは、なかなか面白いと思う。外さない、というか、せこいというか、きっちりと的を外さないところをプレイしてくれる。これは小さい頃からディフェンスの楽しみを家族で遊んで来れたからだと思う。ダミーのアナーはフィネスすべきとか。もう一歩も二歩も上達すべきとは思うけど、人に言われた約束事にとらわれてディフェンスするのではなくて、自分で考えてプレイするという主体性があることが、娘が自分でブリッジを楽しくしているのではないかと考えている。

そういう状況にあることが、おとうさんにとっても娘にとっても、良い状態なのではないかと思う。お互いに敬意を持ちながらも、自主性は保持する、みたいな。

おとうさん自身は

おとうさんは、そういうブリッジの中で、自分の課題を0.5歩でも歩みを進めただろうか?何事もテーブル上で実現するために練習をしているのだから(といって、それほど根を詰めて練習をしているわけではないのだが)、ブリッジの良い状態の中で測るべきことは、自分の実力をどこまで伸ばすことができるかについての感覚的な見込みだ。

当たり前のことを、当たり前にやっているか?つまり、ビッドの時点で相手(もしくはパートナー)のディストリビューションを想定しているか?点数はどうだ?ダミーが開いたら、オープニング・リードからディフェンダの手を1つ、想定しているか?リードが出た時点で、全体の点数バランスを想定しているか?ディストリビューションはどうか?

自分を「自分はできない、だめだ」とあきらめてしまうのは結構簡単だっていうことが最近わかってきた。私は簡単なほうへ簡単なほうへと流れていく傾向がある。しかし、ここでそろそろ踏ん張るべき。「なにくそっ」「Grit」と歯ぎしりをすべきだよ<自分。

今、すべきことはなんだろう?

福岡の招待ゲームまであと7週間。娘もブリッジを嫌いにならずに一緒に遊べるし、少しづつビッドやプレイも覚えてきて大人の中でもブリッジができるようになってきた今、状況はとても良くなってきていると思う。今の時点でおとうさんが考えておくべきことはなんだろう?改めて、何かに対して失敗しないように、今始めるべきこと、今覚悟しておくこと、そういうことを考えてみた。

まず、当日のトーナメントで、順位がたとえ悪かったとしても、重苦しい雰囲気になる必要がないということを、おとうさんが心しておかなければならない。確かに成績が良ければ楽しいし、次の励みにもなる。しかし勝負は水ものだし、特にビッドをきっちりとシステマティックに身に着けていない場合は、より勝負における勝ち負けの波は大きな波長を描くことになるだろう。

勝てば楽しいが、負けたからといって投げやりになることはない。もっとも大きな価値は、アジアパシフィックの大会に参加して、きちんとしたブリッジの体験ができるということ、それに尽きる。だから、その土台に、どのくらい私達ペアが楽しさを事前に準備して備えられるか、ということだ。準備が万端でなくとも、それはそれでよし!今日の段階で、ブリッジとしては十分に楽しさを満喫できる可能性が高いのだから!

福岡に、アジア・パシフィックの大会に、おとうさんが興奮してしまって、足元がぐらついてしまうのがこわい。すべてを台無しにしてしまうのはおとうさんなのだ。練習できてないからといって、引け目を感じることはないのだ。福岡に来たこと、来れたこと、その幸運だけを胸に、すべての面で謙虚な心を保ちたい。そのことを考え、実践するための残り7週間だ。