エースの位置

トランプのゲームでは、絵札の強さが、ゲームによって異なることが往々にしてある(ようだ)。

現在、私が目にしているゲームだと、ほとんど違いはない。しかしもう一歩、知らなかったゲームをプレイしようと調べてみると、絵札の強さが普通と違っていて、少し、困ったなぁと思うことがある。子供に教える時に、強さが変わるということを教えて、途中で間違うことがないだろうか?とか考えている。しかし実は、大人の自分がプレイ中に強さを間違ってしまうことを、恐れているだけだったりする。

私は、Aが一番強くて、KQJ109・・・・2 という強さのゲームばかりで遊んでいる。しかしトランプの世界にどっぷりはまると、この枠組みはいとも簡単に壊れてしまう。

娘がトランプを始めた頃は、数字をまだきちんと読めなかった。トランプで遊んでいるうちに数字を覚えたはずだ。最初のゲームは、神経衰弱とババ抜きだった。これは数字の並びが無問題で、同じフェイスのペアを集めれば良いゲームである。すなわち、カードに数字が書いていなくたってそれなりに遊べる訳だ。

数字の概念を教える必要が出てくる、ほんの少し高度なゲームの最初で一番簡単にできるゲームとして、ページワンの変形のフェースを遊び始めた。数字と記号の並びの概念を導入する必要があった。2の次につながるのが3である、その次が4、5、6。さて、6の前は何でしょう?

そういえばこのフェースを遊んでいた当初は、娘に毎回聞かれていたことを思い出す。「お父さん、この6には何が出せるの?」「えーと、同じ6、そして、5と7だよ」。毎カードでこの会話があった。娘は毎回、並びの質問ができること、そしてお父さんやお母さんが、娘の質問に丁寧に答えること、それを家族のルールとした。数字や記号に順番があることを覚えてもらわなければならなかったからだ。

次に難しいゲームは、7ならべだった。場に出ているカードが多いので、フェースのように1つづつ、出せるカードを教えるには限界がある。これも遊ぶのに根気がいるゲームだったが、娘自身が、順番を覚えることが楽しい時期だったのだろう。お父さんが娘のカードを見ながらの苦しいゲーム展開ではあったが、牛歩のように1歩づつ前進した。続けてカードを出せるととても喜んで、その感触がゲームを続ける原動力になっていた感がある。

フェースは相変わらず、出せるカードを教えてあげる必要があったが、7並べはふと見ると、数字を並べられるようになっていたことに気づく。そのうち大きな数字から小さい方へ並べられるようになってきていた。記録によると3才半の時だ。並べ方を覚え、自分でカードが出せるようになった時には、素直に家族で喜んで褒めてあげた。

10→J→Q→K、、、、A

7並べはAが一番小さくて1である。が、フェースはKの次にAを出すことができて、次は2が出せる。私の大人の頭ではAは1ではなくて、Kの上だ。数字で言うと14かな。K、A、2のあたりの並びの関係をゲームごとに教えることに、少し違和感を感じていた気がする。どのように教えたら良いのだろうか、と。しかし子供はおそらく、すーっと感じて自然に覚えるのだろう。大人は、自分で作った壁を壊すのを恐れて、余計な言い訳を考えて子供をだますのだろう(w。実はだましているのは子供ではなくて、自分なのかもしれない。

Jは11、Qは12、Kが13、と教える局面もあった。実はこれも、大人の不自然な押し付けかもしれない。

(カードのランクの話、次に続きます)