ポジショナルという魔術

年末に出会ったスクイーズのハンド、メークしそうで結局出来ずに、オポーネントの方が何が起こったかをよく理解しているようだった。私については当分の課題。

サウスの6NT。10のリード。

Kへのフィネスが抜けてもちょうどよくカウントがレクティファイされて3、3、2、3=11個あるので、もう一個稼ぐといい。

EがKを勝って、返してきたのがだったものだから、もしこれがだったら、ダミーへののリンクが切れてしまうのでをスレットカードにする手順はあきらめざるを得なかった。

しかし、が返ってきたのでのリンクが生きたまま。何をどう攻めればいいかの選択肢が多くなってしまった。

結局Jとスクイーズに決意し、を3順キャッシュして続けるも、QをEが守り、をWが守り、という状況でシンプルスクイーズが効かずダウンした。

今の時点での解析

結局、2つのスートを守っていたのはEで、Qだったので、その2つのスートをターゲットにしなければならなかったのだが、さて初期の段階でそれを見破ることが出来たのだろうか?もしくは必然としてのassumptionが可能だったかどうか。

冷静に考えると、5つの可能性があったことに気がついた。まずスレットとしては、ダミーには5(4枚目、これはストロングスレッドカード、すなわちどちらか片側だけがガード可能)、それ以外にスレットはない。

ハンドには、2とJ。どちらもストロングスレッドカード。しかし、どのスレットも、誰がガードしているか今の時点では判明していない。

スレットカードの位置から、1)は双方の相手へのオートマチック。はEへのポジショナル、は双方の相手へのオートマチック。

ということになる。

ここでのキャッシュから始めてしまったため、放棄した形がEへののポジショナルスクイーズだったのだ。そしてこれが正解だったのだ。を先にキャッシュしてしまうと、Jがエスタブリッシュしてもサウスに取りに行けない。エントリ問題を抱えたことになったわけだ。

もう一度整理すると、

1) ならオートマチック
2) ならEへのポジショナル
3) ならオートマチック

この中で正解は2)だった。をキャッシュしたのでいきなり芽を摘んでしまったわけである。なぜこんなプレイをしたのか?

私は、おおよそ4年間、オートマチックなシンプルスクイーズはプレイしたことがあっても、ポジショナルなそれは一度もプレイをしたことがなく、発送すらできていないことに、今、あらためて気づいて愕然としたのであった(つづく)。