サードとフィフス

コントラクトブリッジでは、味方同士に7枚以上(すなわち相手にはたかだか6枚)あるスートを用いて相手をコントロールすることが効果的である。しかしディフェンスはパートナーのカードが見えないので、カードの出し方で枚数やアナーカードのありかを教える「シグナル」という方法を用いて情報伝達を行うのが普通である。

最初のオープニングリードについては、長いスートからのリードではフォースベストがもっとも標準的に使われる方法である。アナーのあるスートの上から4番目をリードする、という手法。通常リードされるカードは小さいカードになるため、このように小さなカードがリードされた場合、オープニングリーダーは4枚以上で、アナーを持っているという情報がパートナーに伝わる。

最近、サードアンドフィフスという方法を練習している。3番目と5番目、という取り決めである。JCBLブリテン、2009年11-12月号のキャレンウォーカー著「オープニング・リード上達のために:Part2」(pp.24-29)に、このサードとフィフスの説明があるので、掲載する。

サードとフィフス(Third and fifth)

3枚、または4枚の場合:サード・ベストをリード。5枚以上の場合:フィフス・ベストをリード。異なった使い方として「偶数の場合はサード、奇数ならばロウ・リード」がある。どちらの場合も主にスーツコントラクトに対して使われる。"ルールオブ10" または "ルールオブ12" を使うことにより、ディクレアラのハンドのリードより高いカードの枚数が判明する。もし、あなたがリードを "サードベスト" とかんがえるのであれば、"ルールオブ11" と同様に、"ルールオブ12" を試してみる。"フィフスベスト" と思えば、"ルールオブ10" を使う。

利点

同じカードが、3枚スートからも5枚スートからもリードされる。従って、数の不均衡さにより、パートナーはオープニング・リーダーのリードしたスートの長さを容易に判断することができ、"ルールオブ10" または "ルールオブ12" を選択する。

欠点

サードハイエスト・カードは、比較的高いスポットになるかもしれず、トリックを失う可能性がある。(例えばQ1082からは8がリードされる。)

一部のペアはこの問題を、「もしサードベストカードが8より高い場合は、フォースベストをリードする」と合意し、此の問題に対処している。(7より高い場合と合意しているペアもある。)しかし、例外を作れば作るほど、スポットカードのリードは確実性が失われる。

==以上引用

5枚以上の長いスートがわかることは、ディクレアラのディストリを知るのに役に立つということなのだろう。

ちなみに、third and fifthは、スートコントラクトをベースとし、NTのリードでは依然フォースベストを用いるとのこと。

スーツコントラクトに対して、AKからAのリード

スタンダードではAKからはKをリード

利点

Kのリードは、常にQを示す。従って、サードハンドはJを持っている場合には、エンカレッジング・シグナルができる。

欠点

AのリードはKを必ずしも保証しないので、サードハンドはQを持っていた場合、果たしてどちらのアティチュードシグナルを選ぶべきかを推測しなければならない。

注意点

あなたのパートナーシップの合意に関わらず、パートナーがビッドしたスーツ、及び、オポーネントの5レベル以上のコントラクトに対してリードする場合は、AKからはKをリードすべきである。このどちらの場合も、Aのリードは、パートナーの "Kに関するアティチュード" を尋ねている。

(Aのみの時にでもAをリードする。したがってAのリードはAのみ、もしくはAKからの2種類の可能性がある。このとき、PdがQを持っているなどエンカレッジを出すべきかどうか迷うことになる。Kからのリードならば、PdがもしQを持っているならばAKからのリードであることがわかる。もしQを持っていなくても、リーダーはAKもしくはKQからのリードであることから、アナーが無駄になることはない。そこで、短いスートであるなど、アティチュードを出したいときに、自由に出すことができる)、なんてことになるのかな。