最近、娘と地元のブリッジクラブに顔を出したり、少しづつブリッジ感覚をもとに戻すようにしている。先日BBOでプレイした時に、自分でも嬉しかったディフェンス感覚を感じることができた。こういうことを忘れないでおきたいものだ。
私はEでオープニングリードをクラブにした。相手のビッドは少し中途半端な気がするが、こういう、何かコミュニケーションがずれた時はダウンさせるチャンスだ。リードは通常のフォースベスト。ちなみに最近ではスートコントラクトで、3番目か5番目をリードする方法を目にする。おそらくそのうち使うようになると思う。
1順目、Pd(パートナー)が♣Jを出して、ディクレアラが♣Aで上がる。ここで状況を把握するように務める。
ディクレアラのビッドを見ると、ダミーが2♣と言った時点でこの2♣をニューマイナーフォーシングと見ていることがわかっている。よって2NTのビッドは♣にストッパーのあるバランスハンド、もしくはセミバランスハンドを示している。♥は3枚ない。4243か。♣のディストリビューションは、4333ということになる。するとPdが♣を返してくれるか、私自身がリードを得て♣のKQをキャッシュすることで残りの♣KQ8は全て取れることがわかる。
♣3トリックと♥1トリックで4トリック。
点数はどうか?ディクレアラが13点、ダミーが11点とすると、12点の私と合わせるとPdには多くて4点。♣Jが出たのであと多くて3点か。
1トリック目に♣Aで上がったディクレアラ、2トリック目に♦を触ってきた。ダミーの♦Kをキャッシュして、次、どうやらダックして私の♦Jが勝たされた。♦5枚でAを持っているか?あとは1回止まれば♦が3トリック取れるという寸法なのだろう。
さて、3トリックが終わって、ここでディフェンスのトリックを数えてみた。♣3、♥1、♦で1個取ったので5トリック確保できている。あと1トリックでダウンだ。さてどうする?
私が♥Aを持っていて、ダミーに♥Kがあると、♥Aを持っている自分はどうしても躊躇してしまう。これはディクレアラをやっているときにもディフェンダを見ているとわかる。ダミーにKやQが見えているのに、何度も左手のディフェンダに手が入るのに、そのスートをリードしてこない。それは自分がAを持っているからに他ならない。こんな時は、ダミーに向かってリードすることでトリックが取れるというものだ。ただし、上手なディフェンダは、あえて触ってこないこともあるから注意。
というわけで、今の場合、♥Kが取られるとたぶんダウンさせられないので、比較的早いこの4トリック目が急所だ。♥Kに向けて小さな♥をリードした場合に、ディクレアラはゲスを迫られる。ああ、もし、ディクレアラがQなんかを持っているなら最初からできているので何も心配することはない。しかし、なんといっても、終盤の9トリック10トリック目になってから、ディクレアラもするべきことが少なくなり、♥Kに向けてのリードしか方法が無くなってしまうと、もう私の♥Aの威力も消えてしまうということだ。
というわけで4トリック目にできるだけ気配を消した♥をリードする。ディクレアラにゲスを迫る。♥Kが出せるかい?
♥9をリードすると案の定、ちょっと躊躇して♥Kを出さなかった。Pdからは♥J。もしディクレアラがQを持ってたらいらない心配だったということ。しかしディクレアラから♥Qは出なかった。
Pdから♣が帰ってきてあとは♣3、♥Aを取って、1ダウン。
誰がやっても同じ結果になるのかもしれない。しかし、オープニングリードで♥を出される次に、4トリック目に♥スモールがリードされるのは、ディクレアラが♥Kを出すのを十分躊躇させられる力があると思う。ディクレアラが躊躇するっていうのに、ディフェンダの私も躊躇していたのでは、時間はつねにディクレアラに味方する。
この1ダウンは、とても気持ちのよいボードだったし、自分がディフェンスを考えることができたあかしとして自信が少しついた。