福岡ビギナーズ杯、午後の部(3)

午後5ボード目、21番、3NTN+4、18.5、97.4%

ここで、おとうさんの目からうろこが落ちる、転機のボードがやってきた。

ビッドは次の通り。

W  N  E  S
   p  p  1
p  1 p  2
p  3N AP.

娘はをジャンプしてビッドした。これは強いのか?娘がどういう意図でジャンプをしたのか、おとうさんには少し理解できていなかった。それでもコントラクトは3NTになるのだろうと考えて、3NTにした。最後に決める、相談はしない。良くないパターンだが、娘のビッドがよくわからないので仕方ない。

Eからのオープニング・リードは4。もしこのがJの下からのリードならば、4、1で7トリックに、Kに負けに行けば2トリック増えるので3NTがメークする。

そこでオープニング・リードの人に聞いた「リードは何ですか?」「フォースベストです」とのことなので、これはJの下からのリードと考えられる。そこで、ダミーから10を出すとこれが勝つ。これでメークは決定した。ならばAのストッパーがあるうちに、のフィネスを繰り返そう。

Jをリードしてダミーから9を出すとJが勝った。Kがフィネスにかかっているのか。ならばクラブもついでにフィネス。8をリードしてダミーからは5。8が勝った。Kもフィネスにかかっているのか?

KもKもオンサイドだったため、結局13トリック全部を取ることができた。娘からは「もっと上げるべきだったの?」「いや、たまたま取れただけだから」ということで、たくさんトリックが取れたので、とても良い成績になった。

ふと、娘のハンドを思い出してみると、18点でA3枚、とても強いので、おとうさんの1に対して、2とジャンプをしたのだ。なるほど、強さを示すために、ジャンプしたのだな。おとうさんの注意点を覚えていて、実戦で使えるようになっている。進化している。

午後の中盤、3番、3NTS=(娘の3NT)、16、84.2%

中盤になってこんなハンドが来た。

Sの娘から2NTのオープン。なにげに当たり前のビッドなので、おとうさんもすんなりと3NTにレイズして決まり。オープニング・リードは、WからスペードJ。

1分ほど娘は考える。何を考えているのかは、わからないが、必ず考えている。良い習慣が身についたものだと親ばかであるが、感心している。ダミーのカードをすぐに出す大人もたくさんいる。そんな中、きちんと考える時間を取っていることが、素晴らしいと思う。

Jのリードを、娘はダック(Aで取らない)。Wからスペードが続き、EからQが出たので娘はAでこれを取る。

この後はよく覚えていないが、プレイは非常にスムーズに進んだ。確かKでダミーに入って、スモールをダミーから出して、ハンドから9だったかな。すなわちEに対してQのフィネスをしたわけだ。

9が勝つので、その後はAを叩いてEからQが落ちる。JをダミーのKでオーバーテークして、ダミーの10を取る。これでクラブが4トリック取れたので、1で、合計9トリックのジャストメーク。

するとEのオポーネントが「娘さん、お上手だわ。プレイに全く迷いがないもの!」と娘のプレイを褒めてくれた。確かに流れるようにプレイをしていた。おとうさんはダミーでお休み中だったので、何が起こったのかよく見ていなかったが、EからするとQをフィネスされてクラブで4トリック取られてしまうのは悪夢だったに違いない。

へぇー、なるほどね。そしておとうさんは気がついた。今度は2オープン(5枚メジャーオープンだから3枚のクラブでオープンする)じゃなくて、2NTオープンできてるね!「バランス・ハンドだから2NTでオープンしたの?」「そうだよ、できるよ」、じゃーん、さっきまで2NTオープンできなかったのに、またまた進化した!

そう。バランス・ハンドでNTでオープンできるようになると、アンバランス・ハンドでの2の代のオープンが意味を持つようになるんだよね。これまで苦労してきたビッドが、大きく改善する!さきほどの6も、ビッドしなくて済むようになるしね。

唯一のマラソンビッド、6番、3NTN+2、18, 94.7%

午後の中盤で、今回初のマラソンビッドがやってきた。


W  N  E  S
      p  1
p  2 p  2
p  2N p  3N
AP.

に2とジャンプすると、ゲームまでパスをしない、というマラソンビッド。おとうさんは余裕で2NTとビッドすると娘は早くも3NTとゲームビッドする。パスをしない理由はないので、最終コントラクトが3NTになった。

案の定、Eからオープニング・リードが8。オーマイガ。相手にクラブが10枚もある。なぜ娘よ。クラブが1枚しかないのに、おとうさんの2NTを素直に3NTに上げるのじゃ。ダイヤモンドがそんなに長いなら、もう一回ダイヤモンドをビッドして欲しい!と心の叫び。

プレイ計画としては、のKがオンサイド、すなわちEにないと、このコントラクトはダウンするってこと。クラブを思いっきり取られてしまう。さらに、最初のトリックでWからQが出てきたので、おとうさんは最初のトリックをKで取らないわけには行かなくなった。もうのフィネスにかけるしかない。

こんな時、相手の捨て札を強要すると何かいいことがあったりするので、スペードをAQKと3トリック取って見ることにした。するとWからクラブが捨てられた。もうKのフィネスをするしかない。Qからリードすると、がーん。KはWが持っていた。

ビギナーズ杯なので、私達ペアも、意外性のあるビッドで相手に点数をサービスしてきている。だから、いろんな事故はお互い様なのだ。そして、目の前の3NTは風前のともしびではあったが、KがWに抜けて、返されたスートはクラブではなかった。7。これにKを出す。当然EがAで勝って、を走るんだろうな、と思っていたら、EはAを出さないではないか。

私のKが勝ったので、あとはを走ったところ、5メークになった。

ふぅ。そして娘に「3NTなんて簡単に乗せないで、ダイヤモンドがそんなに長いんだから3とか言って欲しいよ。3NTは落ちているんだから」と言うと、娘いわく「できたんだから、いいじゃん」。カーン。

ああ、確かにそうだ。おとうさん、これまでその考えが無かった。まず、試合というのはこれまで練習した成果を発揮する勝負の場、と考えていた。結果よりも過程が大切と考えていた。それはそれでいい。しかし娘とは、試合以外に練習をしないようにしてきたではないか。過程ってのはそもそもないのに、それを求めたって無理な話だ。

だから、娘の「できたんだから、いいじゃん」は、今はそれで正しい!と初めて思えた。娘との価値観が一致し、波長が会った瞬間だった。「そうだな。今日はそれで行こう。できたんだから、いいじゃん、って」

破竹のディフェンス、9番、2NTE−2、16.5、86.8%

ビギナーズの試合では、いろんなことが起こる。それはお互い様で、その中で皆実力を出しきって順位をつける。

このボードも、私達のディフェンスが爆発し、好成績を上げたボードだ。

Eが2NTでオープンし、それが流れて最終コントラクトになる。娘からはKがリードされた。今回、直前にリードの練習を少ししたのだった。AKJと下のほうで1枚(今ならQ)が抜けているアナーは、3枚続いていると考えてよし、ということと、KJ10と上の方で1枚抜けている(Q)場合は、中の続き札を出す(今回ならJ)ということ。

それを覚えていたのだろう。Kがリードされた。ということはQは私が持っているので、娘はAを確実に持っている。そしてJも持っている可能性が非常に高い!

となると、私のQを最後まで取っておいてしまった時どうなるか?娘がAKと取ってを続けると、私のQが勝ってしまう。しかし私はもうがないので続けてをリードできない。これを「ブロックした」と言う。

娘がJを持っていることを祈り、おとうさんはブロックしないように「アンブロック」のプレイをした。すなわち、娘のKに対して、Qを出したのだ。娘が考えている。何か考えている。

娘はAを続けた。私は10を出す。ディクレアラもをフォローする。さて、娘よ、Jを持っていてくれよ。そうすれば私の9がJの下に捨てられてブロックせずに済む。

そして、やっぱり持っていたJ。Jのリードですべてのが出きったことを、娘は再度数えながら確認し、手元の小さなを取り切って、Aも取って2ダウン。

多くの人達がサウスのハンドでで介入したのかもしれない。しかし2NT2ダウンは、ほぼトップの成績だ。ディフェンスの波長も合ってきているぞ!

終盤、13番、2S=、15、78.9%

終盤になって、娘はを2度繰り返して、この2をメークさせた。


順位

さて、午後のスコアを見ると、なんと41ペア中7位、入賞だ!

近くにいた方々から祝福の言葉を受けた。やはり、我々ペアは、午後はノリノリだったのだな。「できたから、いいじゃん」の精神が、おとうさんのかたくななブリッジに風穴を開けたかもしれない。そして改善していないようで、常に進歩している娘のビッド&プレイが、午後のセッションで全開となった感がある。

とにかく、久しぶりに爽快なトーナメントであった。アバウトさが我々地元のクラブと雰囲気が似ていたことが功を奏したのかとも思う。とにかく、喜んで試合を終えることができ、ほんとうに良かったし、今後の自信につながると思う。