みちのく地域対抗競技会、その4

午後の開始5ボード目の、1パスで動揺したおとうさん、その後のボードと次のラウンドで、平常心ではないことが自分で意識できていた。しかし、止まらない。Nに私でSに娘が座る。

ラソンビッドからスラムへ


W  N  E  S
p  1 p  2
p  6N all pass

Nのおとうさんは18点のバランス・ハンドなので2NTとジャンプして答える予定で1でオープンする。それに対して娘の2は、ツーオーバーワン・ゲーム・フォーシングだ。つまりゲームまではパスしないというビッドだ。

あまりにも普通のツーオーバーワンなので、娘が間違えてビッドしているんじゃないかとちょっと疑ってしまったのだが、すっかりマラソンビッドが身についたということだろう。信頼してビッドを続ける。

娘がゲームができるハンドで、メジャースートでジャンプしない(2や2)ことから、メジャースートは4枚ないということがわかる。そうすると、トランプは無しか、ダイヤモンドかクラブということになる。さらにおとうさんには18点あって、娘は13点、合計すると31点だ。通常33点あればスモールスラム(6の代)に行けるので、この2人のハンドは境界線のハンドになるだろう。

娘に相談したとしても、そのあたりの細かいことは判断できないだろう、ということでおとうさんは、6NTといきなりのスモールスラムをビッドした。

頭が冷静ならば、3NTでやめていたところだろうと思う。何事も我慢が大切だと、チーム員には話していたのだから。

プレイ

ハンドは再掲。

オープニング・リードは、Eから2。うーむ、ダミー(S)がクラブをビッドしているのに、6NTにをリードしてくるとは、大胆なのか、何も考えていないのか。しかし残念なことに、私(N)のハンドはAKでブロックしている。xがもう一枚あれば、もしEがJを持っているとすればフィネスができるのだが、AKだけではフィネスができない。うーむ。

トリックを数えると3=9トリック。3トリックも足りない。のQをWに見て、あと2トリック追加が前提だ。それでも11トリック、1トリック足りない。ダミーのクラブを1回負けると1トリック増えるが、負けた時点でおそらくがリードされてAで取られてダウンが決定するだろう。

そこで相手のミスも必要だが、Eに4〜5枚を見て、Nの8とダミーの10でEをスクイーズにかける戦法を取ることにした。それでも相手のは7枚なのでのディスカードを間違えてくれないと成功しそうにない。

AKを取ってAに負けにいくと、Wが勝って2をリードしてきた。ああ、Wが4枚持っているのか。ほぼ絶望だなと思いながら、をフィネスするとこれが成功、最後にダミーので勝つようにしてスクイーズを敢行するが、やはり最後は両方のディフェンダがを守っていられるのでで1敗して1ダウン。

1トリック足りず。しかしこのボードは、娘が2とマラソンを始めてから、頭が熱くなって、冷静になれという言葉を無視するように6NTに突っ走ったボードになってしまった。

直後のボードも、4を私がダウンしてしまって、完全に自分を見失っている状況。ダウンするたびに、娘が「もう、プンプン」と怒ったふりを見せるが、おとうさんは「いや、これは仕方がないのだ」と自分と娘に言い聞かせていた。

第13章 セーフティプレイ

悪い手がきて負けるのは腹立たしいだけである。しかし、よい手がきて負けると、これは屈辱である。もちろんこれはよく起きることで、世の中では間違いなくそれをブレークが悪いせいにしている。この章の目的は、アンラッキーはディストリビューションのときの処方についてである。

まず第一歩は、「が全部一方のハンドにあるなど、いったいどうしてわかるだろうか?」とか「こちらのAがラフされるかもしれないなどと思う理由がいったいあるだろうか?」と言わないようにすることである。このように言う人は、ことのほかアンラッキーな人たちである、さらに悪いことには、これからもこの悪運は続くに違いない。

書籍『プレイカードテクニック』から。この本は、とても良い言葉が詰まっている。「仕方ない」と言わないようにするということ。心に刻みたいけれど、どうすると自分の姿勢に反映できるのか。大きな課題だ。