超久しぶりのブリッジ
娘は小学5年生なので、年齢は11歳なのかな、よく覚えていない。10代の前半が勝負師としての勘が養われる大切な時期だと、将棋の羽生さんが言っていた。そのため10歳の1年間をゲームに触れずに過ごしてしまったことを悔やんでいる。しかし今からでも全く遅くないぞ、と考えを改め、先日ずいぶんと久しぶりに地元のブリッジクラブに顔を出した。
娘は全くブリッジのことを覚えていない、とのこと。そのため行きたくないとまで言い出したが、始めてしまえばすぐに思い出すことは目に見えている。ビッドもプレイも、子供の記憶力は半端ないからね。
午後からのゲームはチーム戦だった。少しの間、ビッドの確認をした。まずはAKQJが上から4点、3点、2点、1点であること。1スートに10点あること。全4スートでは40点あること。4人に配った時の平均の点数が10点であること。
そこからスタートしないといけないくらい、何も覚えていなかったらしい。それでも1度言葉に出せばいろんな記憶が戻ってくるらしい。ビッドの骨格は10分程度話をしただけで話が通じるようになった。
移動中の車の中で、「小さな数のカードでも5枚以上の長いスートならば、最初は負けはするけれど一生懸命リードを続けて相手の絵札(アナー)を出させてしまおう。そうするともう誰もそのスートを持っていない状態になって、どんなに小さなカードでも、トリックを取れるようになる」と、話をした。
さっそく、早いラウンドで娘の1NTのプレイ。ビッドはWの娘が1NTで、皆パス。Wは16点でハート5枚あるけど1NTでいいかなと思う。Aばかりのときはハートでオープンする考えもあるのかな。
リードはクラブ3で、それを買った後に触ったのがハートだ。Aはすぐには取らずに、小さいカードを出してきた。NがQで勝って、、、というやりとりでWの娘は勝つとハートを負けに行って、結局最後の5枚目のハートを取ることができてジャストメークした。
1年以上ブリッジしていなかったけれど、頭脳は格段に先に進んでいるんだなと実感した。これからあまり取れない時間の中でも、娘とのブリッジを大切にしていかないといけないな。
ハーディー・ゲームトライ
4♥や4♠、5♣や5♦といったゲームに行くかどうか、パートナー同士で相談するビッドがゲームトライ。
とってもわかりやすいしジャッジもしやすいので、娘との間ではハーディー・ゲームトライ(アナーフィット・ゲームトライと私が命名)というのを使いたいと思っている。Q以上のアナーのある3枚以上のスートを下からビッドする。そのパートナーは、アナーがうまくフィットしているならゲームトライに乗る。
娘はおかあさんの2♠に対してアナーのフィット具合を再評価して、ゲームに乗ることにした。これができるようなら、これからも使う。
おかあさんのプレイは、惜しくも1ダウン。
強いハンド
昨日の練習ボード、1の代に2の代でレスポンスするのはゲームまでパス無し、というのが徹底されてきたので、おとうさんの1NTもフォーシングNT(パス無し)というのが理解できてきた。おとうさんは10点で、AKKなので10点よりは少し強いかんじ。ハートのサポートは3枚ないけど。
するとWのおかあさんがテークアウトダブルしてきた。娘はそれに臆せずハートをもう一度言う。おそらく、6枚と思う。もしくは強いハンドか。おとうさんのハート2枚はセカンダリフィットなので、もし6枚ならつけることができる。それを見越しての2♥ではないか。
AKK10点の2枚ハートで申し分ないので3♥とレイズすると、娘は最終的に4♥に。
ハンドが開くと、おとうさんに内緒で「強いハンドでしょ?」という。そういえば、昨日、「長いスートにあるアナーはとても強いのだ。なぜならアナーが取れるだけでなく、長さでトリックを取れるようになるからだ」と話した。そのことを言っているのだ。
プレイは、2トリック目に♦でクラブを捨てればもっと良いプレイだったが合格点。
最初にクラブを2トリック取られて、3トリック目を♣で続けられたならば結構タフなプレイが要求される。♥Qでラフをして、♠ダミーへのエントリがないので、♠AをEに見るしかないか。もしくはJをEに見るか。そのゲスを外すとダウンしそうだ。
ビッドできたことが上出来かな。
プロモート
2ヶ月くらい前になるか。おかあさんと娘がネットブリッジを始めるようになったので、おとうさんが技術を教えようということになった。その時に、何を教えようか考え、プロモートを教えることにした。この時に教えたプロモートが、今でも頭に残っているようで、良いタイミングに良いことを教えたなと思っている。
この時に教えたのは、ディフェンスの時のプロモートだった。
AQ3
K109
→J
自分はディフェンスで、K109と持っている。ダミーにAQ3と見えていて、ディクレアラからJがリードされた。さて何を出すか?
Kを出さないと、ダミーから3を出されて、次にKを挟まれて結局3トリック全て取られてしまう。ここはKをJにかぶせるべきところだ。なぜか?
それはKを出して、J→K→Aとダミーに取られたとして、次にQを出されても、10か9が1トリック取れるようになる。10がプロモート(昇格)した。
自分が10も9も持っているのは、判断しやすい。
AQ3
K92
→J
では、自分に10が無い時に、JにKをかぶせるべきか?かぶせるべきである。なぜなら、パートナーが10を持っているかもしれず、さらには、ディクレアラが10を持っていたとしたら、Kを出そうが出すまいが、全部取られるという結果は変わらない。したがって、パートナーが10を持っていて、Kを出せば10がプロモート(昇格)する場合に備えて、Kを出すということ。
以前このハンドが実戦で出てきた時、娘は上記ハンドの見えないディフェンダの位置にいて、10を持っていた。おかあさんがKを出さなかったので娘の10が取れなくなった。それをおかあさんに指摘していたのが頼もしい。
ちなみに10を持っていないのにJを出してKをフィネスしようとするディクレアラのプレイを俗に「チャイニーズフィネス」と呼んでいる。ディフェンダ側もディクレアラ側も一緒で、カバーされてプロモートするアナーが無い時には、アナーをリードするのは避けるべき、ということだろう。
ゲームフォーシングとウェスタン・キュービッド
普段のネットブリッジだと、課題が出たそのつどプレイを止めて説明を行っている。おかあさんは話半分で聞いていて、もう眠いなぁという雰囲気だ。それでも、娘には何度も話しているうちに、だんだん記憶に蓄積してくるようだ。
今回のビッドは、そう簡単ではない方法を説明した。
最初に、娘がレスポンスしたのが2♥だった。1の代に対して、2の代にジャンプするのはゲームまでパスをしないという取り決めだ。オープンが1♣であっても、ハートを言いたいときには2♥とジャンプする。スペースを余計に取ってしまうこともあるが、その修正は後々でも可能と考えている。まずはゲームフォーシングを身につけさせる意図だ。これに馴れることで、ジャンプしないハンドはそれほど強くない、ということも同時に表現できる。
上記のハンドを最初に2♥とジャンプしてしまうとどうなるか。
娘は「メジャーが4枚あったら、メジャーでジャンプするんだよね」と覚えていたようで、その時には、ビッドが次のようになる。
1♣ー2♥ー(2♠);3♣ー3♦;3♥
さて、このおとうさんの3♥は何枚?と聞くと「3枚」と答える。そう、セカンダリサポートだ。ここまではおとうさんもしょっちゅう口にしているため、覚えているらしい。しかし、フィットが8枚ではない4−3のハートで、その後どのようにビッドしたら良いかわからないとのこと。
実際にはこのビッドでも、4−3フィットの♥をトランプせずに、3NTと言えば済むことである。娘には♠にストッパーがあるからだ。実際にも、♥と♦が4−4の時には、同様のビッドシーケンスになるのだと思う。
しかし、今回の娘のハンドは、♥が4枚、♦が5枚なので、「ゲームフォーシングをかけるときは、長いスートを先にビッドしよう」と、娘のレスポンスを修正することにした。
そうした場合には、♦のあとに4枚の♥をビッドすることになり、♥のフィットがないことが、おとうさんにもすぐに理解できる。そのため、最適なビッド展開に向かうために、おとうさん側からもビッドの提案ができるわけだ。
娘の3♥の段階で、おとうさんには♥のフィットも、♦のフィットもないことがわかるので、狙うは3NTだ。そこで3♠とビッドする。これはウェスタン・キュービッドだ。わざわざ、相手の介入したスートをビッドしている。娘はこの段階で、「この3♠はパスしてはいけないんだよね」ということはわかっている。「♠のストッパーがないので、もしPdが持っているならばNTをビッドして欲しい」という意味だ。
なぜ、3♠が、♠のない意味になるか、というと、これは結局パートナー同士でどのように取り決めているかにすぎないわけだが、わかりやすい法則で言うと「NTをビッドできる人は、すみやかにビッドすること」かな。もし私が♠のストッパーを持っていれば、自分で3NTをビッドするとても良いチャンスなのだ。だから3NTをビッドする。しかしあえてビッドしないのは、「できないから」であるということだ。そして「もし私が、相手のスートである♠にストッパーがあるならば、私は3NTをビッドしています。しかし無いからビッド出来ないの。フィットもないし、もしPdに♠のストッパーがあれば、3NTと言って欲しい」という意味になる。
さて、娘はこのビッド展開を次回まで覚えているだろうか。
※イースタン・キュービッドは、ストッパーを持っていることを示すビッドを呼ぶようです。
ローマンキーカード
ずいぶん久しぶりの記事になった。今年は娘が小学5年生で、勝負師の修行をするにはもってこいの年齢だ。というわけでブリッジや囲碁など頭を使うゲームを沢山覚えてもらいたいと思っている。ただしおとうさんが忙しくて、つきあってあげる暇が無い。
そんな中、おかあさんも久しぶりにブリッジがしたくなったとのことで、娘と2人でipad+iphoneのBBOでブリッジをし始めた。これがもう1ヶ月も毎日続いているようで、とても助かっている。
娘はビッドを全く覚えていなかったのだが、おとうさんが土日に簡単な講義をしてあげると、すぐに覚えて使えるようになる。というわけで、おとうさんの時間が許すだけ、娘にブリッジを教えることにした。
昨日は、ローマンキーカードブラックウッドを教えたらすぐに使えるようになって、以下は今日のハンド。
1の代に2の代でレスポンスをすると、ゲームまでパス無しの約束だ。上記のように1♥ー2♠と、変なジャンプ(ジャンプシフト)したとしても、単にゲームまでパス無しという意味である。
上記の娘のビッドは、3枚の♥サポートがあるが「2♥じゃ弱いハンドになっちゃうでしょ」と、わざとゲームフォーシングを先にビッドしたとのこと。素晴らしい。3枚以上のメジャーのサポートがある場合のビッドは、後からゆっくりと教えるからね。
娘は16点あって、ゲーム以上を狙いたいところだが、その分おとうさんが背伸びをして結局6♥になって、♠Kが抜けて1ダウン。
それでも、着実に、ビッドの幅が広がっている娘。私も、ボケたブリッジの勘を取り戻さないといけない。
ポイントカウント法
ずいぶん久しぶりに娘と、ブリッジの話をした。
娘はブリッジをプレイするのに全く問題がない。問題があるのはおとうさんで、時間を取ることができない。
しかし、いかんいかんと思い始めた。このままだらだらとブリッジに触れない時間を過ごしてはいけない。私が、ダメを出したのだ。
昨日はブリッジの話を始めるよ、ということでこんな話をした。
私「トランプ1セットは、デックと言うんだけど、デックにはカードが何枚あるか知っているか?」
娘「うーん、60枚?、55枚?」
私「では、スートは何種類あるんだっけ?」
娘「えーと4種類」
私「じゃ、1つのスートに、カードは何枚あるかな?」
娘「12枚?、あ、ちがう、13枚か」
私「そうだね。ならば、掛け算で答えが出そうだね。全部で何枚かな」
娘「55枚」
私「なんでそうなる?」
娘「ジョーカーが入っているし」
私「そうかそうか、ジョーカーは枚数に入れなくていいよ」
娘「じゃ、52枚」
私「その通り。ちなみに、1年の週の数はいくつあるか知っているかい?」
娘「知らない」
私「52週あるのだ。1週が7日だから掛け算すると何日?」
娘「えーと、、、、、えーと、、、364日」
私「はい、正解。じゃ、Aを4点、Kを3点、Qを2点、Jを1点とすると、1つのスートに何点あることになる?」
娘「えーとえーと、、、、10点」
私「じゃ、デックだと、全部で何点だ?」
娘「40点」
私「はい正解」
ブリッジ再開の道は険しい。