思考がめぐる

ディクレアラのプレイが楽しくできる、つまり、プレイ中に展望が見えて、練習したことが生かせて、良い結果が出るよう、遠回りでも少しづつ、継続してブリッジのさまざまなことを教えていくべきだなぁと感じつつも、教えるプログラムをどのように作ろうか、考えているうちに日がどんどん過ぎていく。

今日も、何かと仕事で忙しい日で、気がつくともう夕方で、娘が「遊ぼう」とやってきたので、トランプをして遊ぶことにした。遊ぶ前にまずはブリッジの練習だ。というといつも「えー」と顔をしかめる。練習は話や説明が多いので、トランプで遊ぶ方を好むからである。それでも、嫌だと言ったことはないなぁ。

まず、ディクレアラの時のプレイに展望が持てるよう、何かしらアイディアを出して毎日やってみたい。カードを4人分に配って、Tiny Bridgeの形式でコントラクトを決めて、プレイの方針をどのように立てるか、という説明をすることにした。

手でシャフルして配ったハンドはこれ。ハイカードポイントがNS合わせて24点(A=4点、K=3点、Q=2点、J=1点)ということで、20,21,22点が2の台だから、24点は3の代だ。娘が決めたトランプはハート。よってコントラクトは3ハーツとなった。取るべきトリックは9トリック、取られても良いトリックは4トリックまで。Wのオープニング・リードはスペードの9。ここからおとうさんの説明が始まる。

ルーザを数える

トランプ・コントラクトの時は、「取られて良いトリック数」を確認したならば、次はルーザをかぞえるのだ、と教える。ルーザというのを説明するのが容易ではないが、「取られてしまう可能性のあるトリックのことで、各スートでルーザを数え上げること」が、最初の仕事。そして、トランプの長い方(ダミーと自分とで多くトランプを持っているほう)のハンドを基準にルーザを数え上げる。その後、取られて良いトリック数との関係を把握し、ルーザを減らす工夫をしてコントラクト達成を目指す、という風に進む予定。

ハート(トランプ)は、自分たちで6−2持っているから、相手のブレークで一番ありそうなのが、3−2。すなわち、ハートをAKQJと上から取れば、相手のトランプに負けること無く全部巻きあげてしまうことができるので、トランプでのルーザは無し。

スペードはAに負けるだけでほかはKQJ10と強い札が並んでいるので、ルーザは1。

ダイヤモンドも、強い札が続いている。サウスのハンドを基準に見るので、勝ち負けは2枚のダイヤモンドだけ見る。つまり3回目にリードされても、トランプでラフして止められるから、ということ。そしてこのダイヤモンドは、Aに負けるだけで次のトリックはダミーのQが強くなるので、ルーザはAに負けるだけの1。

最後にクラブ、これはサウスに1枚しかないので、ルーザ1。これらを合計すると3。つまり順調に行けば3つしか負けないということだ。3ハーツは、4メークして、「勝ち!」になる、ということ。

ここまでおとうさんのだらだらとした説明。なんとか娘も付いてきている。

いろいろと考えている

Wからのスペードリードで、ダミーのKが、EのAに負けて、Eからはスペードが返される。これをサウスが10で勝つ。

ここのプレイの時に、娘が、「ちょっとまってね。自分でプレイしてみる」と言う。すると、説明を始めた。直接コントラクトに関わる話ではないのだが、真剣に説明をする。何かと思うと、今のプレイの時には、第1トリックにEがスペードのAで勝ったが、もしこれでWがAを持っていたときには、ノースがKで勝ったあとに、Nからスペードを続け、「このときに、ハンドから10を出すのがいい」という。なんのこっちゃ?QJ10と続いているカードで何を出しても同じなのに、10を出すのがいいというのは、どういう意味?

これは、娘が言うに「だって、WがAを持っていて、Aを取ろうとするでしょ。その時に私が10を出すと、Wは、QとJを、パートナーのEが持っていると思うかもしれないから。だって、ダミーのハンドはみんなに見えているから、何から出してもみんなにわかっちゃうけど、私のハンドは誰にも見えていないから、QやJを誰が持っているのかは、Wはわからないはずなの。だから10をだすの。」

うーむ、10を出すことが正しい方法かどうかは別として、娘はそういうことを考えて、ブリッジをしているのか。あはは、あっぱれだな。

教えたわけではないのに、カードコンビネーションのことについては、とても興味があるようで、いろいろと自分で考えながらプレイをしている模様。面白いものだなぁ。そうか、そういうことを考えているのなら、やっぱりおとうさんは頑張って教えるべきだな!

その後、ハートのプレイの仕方は「短い方の絵札から取る」つまりAから取って7を続けると、ハンドにスムーズに入って続けてハート(トランプ)をプレイすることができる、とか続いた。

最後に「大切なのは、『目標を見失なわないこと』だよ」「ああ、それわかる。このまえ、8トリック取ればいいと思って8トリック取って喜んだら、本当は9トリック取らなくちゃいけなくて、ダウンして負けてた」、、そうそう、そういうことよ。

体系的に教えるのも大変だし、それを聞いて身につける方も大変だとは思うが、やればやるほど、ものを考えるようになるみたいだから、やっぱり気合入れて教えてあげようと思う。まずは楽しく、練習が生きて結果に出てくることが大切だな。