いま、できることは、なにか?

日曜日に、「たいらじょう」という人形劇作家の劇を見て来たのだが、出かける朝に、いろいろわーっと考えが浮かんできたので、少し整理をしながら書いてみたい。

来週の土曜日は、以前にも書いているけれど、娘と一緒にブリッジのトーナメントに出る予定。先月に続いて2回目だ。そして、おとうさんは、今の時期、いろいろと考えた。いま、できることは、なにか?

ブリッジの教室にはほとんど行けていない。それでも、ほぼ1年ぶりのゲーム出場となる、おかあさんのブリッジのリハビリもかねて、家で毎日Tiny Bridgeを3ディールづつ遊んでいる。Tiny Bridgeにはビッドがないのでビッドの練習にはならないが、ディクレアラのプレイとディフェンス、そして、ダミーと合わせて何点あればどういうコントラクトが作れるのかという感じがわかるゲームだと思う。

温泉でのブリッジで、周りが驚くような良いブリッジを見せるには、今の段階から何を教えるべきだろうか?ビッドかな?それともゲームのボーナスかな?もしくはディクレアラの時のドロートランプ(トランプ刈り)かな?ノートランプのプレイの技術かな?

などと、おとうさんがすっかりのぼせていたことに気がついた。おそらく、まわりの大人も、そういう意味で小学生の娘を応援しているだろう。小さい時からブリッジしていれば、上手になれるわよね。小さいのにきちんとビッドができるのね。すごいねぇ、今度はもっと大きな大会にも出れるんじゃない????

ふぅ。日曜日の人形劇に行く朝に、そういうことに気がついた。おとうさんこそ、長い目で見て、楽しくブリッジを続けていける方法を、提供しなければならないじゃないか、と。浮ついたことなど必要ないのだ。そうだ、いま、できることは、「今の、娘の姿勢を、そのまま、受け容れること」だ。

プラスアルファする必要のある要素はひとつもない。デュプリケートで他のテーブルより良い成績を取る必要はない。もっとも重要なのは、「ほめられて、たのしいと思っている、娘を、そのまま楽しいまま、続けさせてあげられる努力をする」ことなんだな。

だから、余計な試合での駆け引きはやめた。いまある、おとうさんと娘とのペア、いつも楽しく、そして「いまのリードとディフェンスはとっても良かったよ!」とほめてあげるおとうさんがいれば、それで良いのだ。そして、そういう見方からすれば、ほめてあげられる点はもっともっとたくさんあるし、ほめてあげるべきところを見過ごしていることもたくさんある。

「おかあさんがクラブのQをだしたとき、おとうさんがラフしなかったので、おとうさんはもうトランプをもっていないっていうことがわかったよ!」おー、そうかそうか。そういうことをわかったと言って、パートナーに伝えられることが素晴らしい!そういう気づきを教えてくれたときには、いつも最大限のほめ言葉を与えるべきだ。

なるほど。教えようというのはおこがましいのだな。理解できた。教えたって覚えるわけはない。しかし、娘が自分で気がついたことは、決して逃さない。いまのところ、急がず、おとうさんもマイペースのノートへのメモで、娘は自分のペースでいろんなことを考えていろんなことに気づいている。

焦ってはいけない。いま、この場、発見と知識、推理の楽しさが発露する、ブリッジテーブルを、思う存分楽しむことだ!良い成績を残すことも最大限の楽しさの要素ではあるが、いまは、それより、いま、を楽しむことが、最も大切な事で最も見逃してはいけないことなんだ。

やっと理解できた。